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ベストグループ見聞会御講話集「21世紀を幸せに生きる」

衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第8巻より

2016年(平成28年)2月6日 ベストグループ甲信越地区見聞会 ①

皆様、おはようございます。お金が幸せの元だと思っている方がたくさんおられます。確かに、お金が無ければ人間社会では生きてはいけません。お金が無ければ子供を学校へ行かせることもできませんし、怪我をしたら病院へも行けません。ですから、お金は必要な最低限のものなのです。しかし、お金は生きる目的ではないのです。

事業家時代、私も四十歳の頃は、会社に数十億円のお金を持っていました。しかし、たった二、三年で無くしました。お金を貯めるのには時間がかかりましたが、無くするのは簡単でした。

私はお金を貯めるために働いたのではありませんでした。人生は一度きりですから、「仕事を通して社会の役に立ちたい」と思いました。だから、私の物の考え方は普通の人とは少し違っていたのです。

何のために仕事をするのだろうか。皆さんはお金を得るために仕事をしています。しかし私は、「仕事を通して社会の役に立つことが仕事の目的だ」と思いました。ですから、「それに相応しい人間にならなければ、社会の役に立たないのではないだろうか」と思いました。社会の役に立つためには人格が必要だと思い、人格を磨くことが一番大事だと思って大きくなりました。

私は、学生時代までは自分のことしか考えないで生きてきました。学生時代は勉強をして、自分のために必死になって生きてきました。でも、社会に出たら、この体は社会の役に立つために使うものです。それが、仕事を通して社会の役に立つことだと思いました。

仕事で社会の役に立ったら、当然、仕事は成功します。その結果として、私はお金持ちにならせて頂きました。そのお金を良いことに使おうと思い、全部貯めていました。でも、全部お金を貯めていたら役に立たないから、気がついたら無くなっていったのです。

私はお金が無くなって初めて、お金は回転させるためにあるのだと分かりました。お金は社会のために使うものだとか、人のために使うものだと、やっと分かるようになったのです。それ以後、私はお金に困ったことは一度もないのです。なぜなら、お金儲けをするために仕事をしたのではなかったからです。でも、お金のために一生懸命に生きてお見えになる方がたくさんいます。

お金は増えたり減ったりします。僅かなお金のために一度しかない人生を使い果たしている方が多いことを、私は日本中を回っていつも感じております。

私だって人間関係は下手だったのですが、人間関係で悩まなくなったのです。「考え方は人それぞれだ。正しいことさえしていれば恥じることはない」と思ってサラリーマン生活を送っていました。

そうすると、私は少しは真面目だったのでしょう。会社に勤めてたった二年半で、経理の責任者をさせて下さいました。そして、一支店のお金や判子、実印を預けて下さいました。さらに、小切手や手形までも預けて下さったのです。これは信用ではないですか。私は信用を手に入れたのです。

私は自分の利のために仕事をしたのではありません。「会社の役に立ちたい」と思って仕事を真面目にしたら、会社から信用されたのです。信用されるには何が大事ですか。人間性が大事です。

そうすると、嫌がらせを受けたこともあります。十年経たないと係長になれないと言われた会社で私はたった二年半でならせて頂きましたので、周りの社員さんから嫌がらせにも遭いました。しかし、「自分は正しい。間違った人が妬みや嫉妬をするのだ」と、私は割り切ることができたのです。

あなた方は人間関係で悩んでいるでしょう。なぜ正しいことをした人がおどおどしないといけないのですか。私には信念がありました。ですから、陰口を言われても、私は知らん顔をしていました。

正しいことをしている人間がなぜ恥じないといけないのですか。出世コースを歩んだら嫌がらせにも遭うでしょう。その嫌がらせに負けるのがあなたの性格です。嫌がらせに克(か)つのが私の性格です。

人はそれぞれ考え方が違います。成功する人は妬まれ、敬われ、そして悪口も言われるという割り切りが、私にはありました。失敗する人は失敗する人同士で集まって、陰で悪口を言ったりするのが世の常だと思いました。成功しているサラリーマンはきちんと仕事をこなし、会社のために一生懸命に働きます。成功者は愚痴も不平も言いません。

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